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インボイスに登録したくない!消費税0円の請求書はあり?メリットデメリットは

Chihaya Iitsuka

今回はインボイスに登録すべきかどうかについての話題です。

得意先の規模が大きいと、インボイス登録するよう要請されるケースも多いかと思います。

しかし、インボイス登録をすると、帳簿づけや確定申告がたいへんになるうえ、納税もしなくてはならず、めんどくさいと思っていらっしゃる方も多いでしょう。

そこで、インボイス登録しない代わりに、消費税を請求しない、というやり方をしている事業者さんがいる、という話を最近たまに耳にします。

具体的には、請求書の消費税を0円としたり、そもそも消費税の欄を設けなかったりということをしているようです。

果たして、このように、消費税を請求しないというやり方はありなのでしょうか。

また、インボイス登録した場合と比べて、どっちがどれだけ損してしまうのでしょうか。

検証してみました。

消費税を請求しないのはありか?!

そもそも、請求書の消費税を0円としたり、そもそも消費税の欄を設けなかったりという形で、消費税を請求しないのはありなのでしょうか。

結論としては、こちらは正しいやり方ではないものの、できなくはないと思います。

よくある誤解として、「インボイス登録していない事業者は消費税を請求してはいけない」というものがあります。

ところが、これは間違いです。

インボイス登録していなくても、消費税の請求はできます。

したがって、請求書を受け取った側が「インボイス登録してないんだから、消費税上乗せしてくるな!」などとクレームをつけるのはNGです。

消費税の上乗せはやっていいのです。

ただ、得意先の顔色を伺って、自主的に上乗せをせず、消費税分を請求しないというのは、正しくはありませんが…本人が困るだけです。

困る本人が納得して請求書を出しているのですから、ダメとも言えないんですよね。

なので、お互いが納得して支払いまでされているのでしたら、消費税0円でも通るでしょう。

一つ注意点としては、インボイス登録していなくても得意先はOKなのか?です。

そもそもインボイス登録していない事業者とはお付き合いしない、という方針の企業もあると聞きます。

インボイス登録していない事業者の経費は、経理上、処理を分けなくてはならず、めんどうになるんですね。

相手が問題にしているのが、消費税の上乗せするしないの話だったらならばいいです。

しかし、インボイス登録しているしていないの話であれば、消費税を上乗せしないだけでは解決していないことになります。

したがって、得意先の意向は確認しておくべきでしょうね。

インボイス登録するしない、どっちが得?!

いずれにせよ、消費税を請求しないだけで、インボイス登録もしなくてよいし、消費税申告も不要、納税も要らないとなると、めちゃくちゃ得したような気がしてきます。

では実際のところ、

①インボイス登録する
②インボイス登録せず、消費税を請求しない

どっちがどれだけお得なんでしょうか。

両者のメリット・デメリットを整理しましょう。

インボイス登録しないメリットは、とにかく消費税の申告納税をしなくてよいこと。

その代わり、実は、手取りとしては少なくなってしまいます。

これは、税金を払わなくてよいプラスよりも、消費税を上乗せして請求できないマイナスの方が大きいということです。

消費税を請求しないということは、消費税10%分を値引きしているのと同じですからね。

納税しなくていいといっても、「値引き」の損失がそれだけ大きいということでしょう。

手取りの差はどのくらい変わる?

とはいえ、消費税の申告や納税をしなくてはいけない、というのがめちゃくちゃ気が重い方も多いことでしょう。

手取りが減るといっても、ちょっと少ないくらいだったら、やっぱり登録しない方がいいや、という考えもあるでしょう。

では、実際どのくらい変わってくるのでしょうか。

これは、売上の規模で違ってきます。

どうでしょうか、年間売上にもよりますが、微妙なライン、と感じられるかもしれませんし、負担が結構大きいな、思うかもしれません。

ちなみに、細かい話ですが、インボイス登録した場合の消費税の計算方法によって、手取りに差が出てきます。

2026年までは、「2割特例」という、インボイス導入による悪影響を緩和するために、納税額を少なくしていいよ、としている計算方法が使えます。

一方、2027年以降は通常の計算方法しか使えず、一般的になるであろう計算方法として「簡易課税」という方法を示しています。ここは業種によって多少異なります。

気にしておきたい「取引の幅」問題

また、業種や取引先にもよりますが、インボイス登録していないことで、営業にマイナスが出るおそれがあります。

建設業やWebデザイナーなど、企業を相手にするB to Cビジネスの場合、インボイス登録していない事業者だと敬遠されがちです。

得意先が決まっていて、登録してなくてもいいと言ってくれる企業から安定して仕事がもらえるようなケースだと支障はないでしょうが、新規を獲得していきたいのであれば、インボイス登録していないことでチャンスを逃す可能性が出てきます。

まとめ

ということで、消費税を請求しない、という解決策は万能ではありません。どちらかというと、付け焼き刃的な対応になってきます。

副業であったり、特定の得意先としか付き合わない、あるいは年間売上が300万円くらいまででしたら、そういった対応でもそこまで問題はないかもしれません。

しかし、本業でされている個人事業主やフリーランスの方、また、今後売上を伸ばしていきたいというご意向があるようでしたら、インボイス登録をした方がよいと考えます。

消費税の申告納税は、所得税(青色申告)と比べて、難しくありません。

むしろ、申告納税のやり方をいったん覚えてしまえば、その後ずっと使える知識になります。

新しいものに対して抵抗感が出るのは無理はありませんが、ぜひトライしてみていたきたいなと思います。

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飯塚 千隼(いいつか ちはや)
飯塚 千隼(いいつか ちはや)
税理士
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